軽動車は税金等の維持費が安い、車両価格が安い、燃費がよい、小回りが利いて扱いやすい等の理由から、中古車市場でも人気の車です。

車両価格については、最近の軽自動車は上級モデルを選ぶと、諸費用込みで250万円近くになってしまう車種もあるので、必ずしも普通車より車両価格が安いとは言えませんが、それでも税金や燃費等の維持費では普通乗用車よりも魅力的なところが多いといえます。

そんな人気の軽自動車ですから、中古車価格相場も常に高め状態を維持していますが、年式や走行距離によっては、かなり安く購入できる中古車も多くその走行距離における一つの境目ともいえるのが、10万キロという走行距離です。

軽自動車に限らず、中古車の価格相場は一部の人気車種を除き走行距離10万キロを境に大きく下がりますが、そもそも10万キロ走った軽自動車の中古車は買いなのでしょうか。

同じ10万キロでも普通車と軽自動車では車の劣化度合が異なる

最近の車は品質も向上し、ラリーやレースといった特別な使用状態を除き、通常の自動車としての使われ方を去れる範囲では10万キロという走行距離は車としての基本機能からは全く問題ない走行距離だといえます。

その背景には、自動車を作るためのモノづくり技術の飛躍的な進歩や、使われる材料自体の品質向上、更に自動車メーカーの耐久信頼性の保証基準自体が引き上げられたといった事が挙げられます。

自動車メーカーの市場における耐久信頼性の保証基準は、普通車・軽自動車にかかわらず10年16万キロもしくは15年20万キロを前提に開発されていますので、そういった観点から10万キロという走行距離はまだまだ余裕があるといえます。

ただしそれはあくまでも耐久信頼性という観点の話で、車を購入し運転するユーザーが車に求める快適性が損なわれるという観点では、軽自動車は比較的短い走行距離でもそれが顕著に表れてきます。

その理由は、普通車に比べエンジン排気量が小さい軽自動車は、同じ走行条件でもエンジン自体の負荷が大きくなるという事です。

例えば1500㏄の普通車と660㏄の軽自動車で高速道路を100km/hで走行した時のエンジン回転数を比較すればそのエンジンに与えられる負荷の差は一目瞭然だといえます。

高回転高負荷で運転する頻度が上がれば、エンジン振動の影響を受ける頻度も増加しますのでマウント系の劣化が加速し、それが車体を伝わって車室内へ伝達し騒音や不快な振動となってドライバーに認知されます。

また車体自体も軽自動車規格でのホイルベースやトレッドの制限から、必ずしも普通車ほど入力を分散する設計が出来ていない事も多く結果的にシャシーやボデーの劣化による乗り心地の低下に繋がります。

このように、同じ走行距離でも走行負荷によって与えられるダメージは普通車よりも軽自動車の方が大きく、車本来の機能が損なわれるか否かの「耐久信頼性」という観点では問題ありませんが快適に車に乗るという「商品性」という部分は軽自動車の方が短い走行距離で損なわれてしまいます。

ターボ付きの軽自動車の中古車は走行距離が重要

軽自動車はエンジン排気量が660cc以下となっていますが、最近の軽自動車は、安全性能の向上や装備の充実により、車両重量は重たくなっています。

車両重量が重い車を走らせるためにはより大きな力が必要となりますが、エンジンの出力はエンジン内に吸い込める空気の量で決まってくるので、排気量660ccしかないエンジンそのままで大きな力を出すのは難しくなります。

なのでよりたくさんの空気をエンジン内に押し込むべく、ターボチャージャーを装着しています。

ターボチャージャーのタービンは、過給する時にはかなりの高回転で回転しており、その回転軸は精密な軸受によって支えられています。

ターボ付きの軽自動車の場合、走行距離が多ければ多いほど、ターボチャージャーの高回転頻度も高いので、回転軸を支える軸受けの摩耗などが起きやすくなります。

軽自動車でターボチャージャーの付いた車の場合、走行距離が10万キロを超えるとターボ周りにトラブルが起きやすくなったりもしますので注意が必要です。

ターボチャージャー自体は軽自動車用でも結構高額ですし、最近は衝突安全性の観点からクラッシュスペース確保を優先し、エンジンルームが非常に狭くなっておりその中にターボチャージャー含めたエンジンを搭載しています。

したがってターボチャージャーを交換はほとんどの軽自動車がエンジンを下ろさないと出来ない事が多く、その分交換作業時間も長く工賃も高額になります。

結局中古車選びとして10万キロ走った軽自動車はありか?

結論から言えばある程度長い期間、例えば3年以上乗ろうと考えているのなら10万キロ走った軽自動車の中古車はお勧めできません。

その理由は先に述べた通りですが、10万キロ以上走った軽自動車を安く購入しても商品性という観点では劣化が進んでおり安かろう悪かろうの品質でしょうし、ターボチャージャーをはじめとする結構なダメージのトラブルが頻発するリスクも高く、安物買いの銭失いになりかねません。

短期間の仕様と割り切るなら10万キロ走った軽自動車も選択肢に

その一方で、半年や1年といった短期の繋ぎで考えるならば、10万キロ以上走った軽自動車を安く買うという選択肢もありだと思います。

最近は全国各地で、サンキュッパ(39.8万円)の軽自動車の中古車専門店として、過走行車ではあるが手頃な価格で購入できる軽自動車の中古車を扱っている店舗もありますので、そういった販売店で掘り出し物の物件を探してみるのもよいですね。